Styling log

2009年5月19日(火) ゴムホースの原理

なるほどって思うのでちょっと書いてみます。
一本のゴムのホースがある。そこに絶えず水道の蛇口からの水が流れている限りは、ホースの中にゴミは溜まらない。
人間というものを、この一本のゴムホースとして考えてみたら、五十歳の人には、五十年にわたって溜まった、さまざまなゴミがそこに溜まってくる。五歳の子供にも五年間のゴミが出来る。
人の持つホースの中には、その環境によって様々なゴミが溜まる。
つまり汚い水ばかり流れれば、それだけゴミが溜まってくる。
そこに、自分に危害を加えることの断じてない、愛情の伴った水が入ってくる。その新しいきれいな水がホースの中で一杯になってくると、詰まってたゴミの一部が押し出されてくる。
何かが改善されていくとき、一見、悪化したような症状を示す場合がある。
奇異な状態を、ゴミだと見破らなければ、水の送り手は、落胆し、水を送り続ける力をなくしてしまう。水を止めたら、ゴムホースのゴミは、さらに増えてしまうのだ。
ゴミが出きってしまうまで、水道の栓を閉めちゃいけない。
木と木をこすり合わせて、火をおこすのと同じ。せっかく煙が出てきたのに、もうしんどいからってやめてしまったら、また一からやり直さなければならない。
膿を出さなければ腫れ物を治すことはできない。なにか病気が敗れ去っていくときの悪あがきというものがある。
大事なことは、そのゴムホースには、きれいな水が注がれないことにはどうにもならないこと。
酒好きの老医師、小堺医師が名付けた「ゴムホースの原理」。
この原理は人生全般に通ずると老医師は言う。
何か災いが起こったら、自分の汚いゴミが、今出てるんだって思ったらいいじゃないか。と。
しかし、それには、自分の中に清浄な水が注がれていることが前提なのだ。
そして、その清浄な水をどのようにして自分の中に注ぐのか?
自分にとって、何が清浄な水なのか?
う~ん、その判断が一番難しい。
—————————
草原の椅子」(著:宮本輝)より

もっと読む

Go more

Topics

新丸子の写真館「写真道場」さんとのコラボレーション企画、CRS活動としての洋服ポスト・・・etc

  • nakool style in 写真道場 2024
  • nakool style in 写真道場 2023
  • nakool style in 写真道場 2022
  • nakool style in 写真道場 2021
  • nakool style in 写真道場 2020
  • nakool style in 写真道場 2019
  • nakool style in 写真道場 2018
  • nakool style in 写真道場 2017
  • nakool style in 写真道場 2016
  • nakool style in 写真道場 2015
  • 洋服ポスト武蔵小杉 by nakool

VOICE of nakoolistお客様の声

10代から通うようになり、30代に入った今でもナクールでしか洋服を買ったことがありません。僕にとってナクールは「癒しの場」であり、個性豊かなナクーリスト(ナクールの常連さんのこと)と出会う「集いの場」であり、まさにオアシス的な存在です。 洋服と酒と人間をこよなく愛す、店主のオリハシ兄貴にもいつも元気をもらっています。
川崎市川崎区、30代、会社員、T様